◆賃貸住宅を建てるきっかけ
オーナー様は、そろそろ高齢になってきた父親の財産について相続税がいくらかかるのか試算したところ、数千万円の相続税がかかることが判明、しかしできれば受け継いだ土地は処分したくない、利用しながら相続税を節税して残していきたいと考えていました。
そんな中、私の著書を読んで依頼したいと相談に来られました。
父親の生前対策をするため、将来の納税用にと約100坪ほど空き地にしていた自宅の一角に店舗併用賃貸住宅を建てることを提案しました。
◆建てる前の土地の様子
賃貸住宅を建てる土地は、大家さん自身が 家庭菜園として利用されていて、このままにしていても、税金ばかり払っているだけで、何年か前からその土地を生かして何かできればと思っていたとのこと。
◆賃貸事業の目的
予想される相続税を節税すること、ご先祖様から受け継いだ土地を絶対に守る、納税用にとっておいた空き地で賃貸事業を進めるということは、その時点から土地を手放さずに相続を乗り切るという大家さんの強い覚悟と熱い想いを型にするためにスタ-トしました。
この事業の収支バランスは、半分返済で半分収入とし、事業資金は、全額銀行融資を受けることを前提に、一切の自己資金を不要としました。
敷地は自宅の隣ですが、S家の土地の中で一番価値のある、16mの道路に面した土地です。有効利用すれば節税をしながら、収益をあげられて維持していけると判断しました。
◆事業収支の予想と節税効果
・収支の予想
*返済計画(借入額1.45億円の場合)・・・月 額
| 収 入 |
賃 料 |
1,082,050円 (共益費・駐車料含む) |
| 支 出 |
返 済 |
517,333円 (47.81%) |
| 管理費 |
56,807円 (5.25%) |
| 手 取 額 |
|
507,910円 (46.94%) |
・相続税節税効果 対策前の相続税予想額 約4000万円
対策後の相続税予想額 約1000万円
差し引き節税予想額 約3000万円
(*減額 土地 貸家建て付け地評価減、建築資金借入金、*増額 建物評価×0.7)
◆賃貸住宅のコンセプト
近隣を調査したところ、周辺の賃貸住宅は2DKのアパ-トタイプがほとんどで、駅から徒歩約20分という立地を考えるとワンルームも将来的には不安でした。
また比較的手頃な値段で一戸建てが購入できる地域でもあったため、家賃の値が張る大きな間取りも避け、新婚さん向けに1LDKの間取りを提案しました。
事業のコンセプトとして、「陽当たりの良い健康的な賃貸マンション」をテ-マに、明るいリビングで笑顔の溢れる生活が想像できるような建物を目指しました。
◆賃貸計画
別紙参照・・・募集資料
◆設計会社選定
設計会社は、コンサルタントが信頼できる会社を選択して、提案段階から図面を作成し、プランが確定して確認申請を出す前にオーナー様と設計契約をしました。
間取りに特徴を持たせたかったため、賃貸住居の1LDKはすべて異なった間取りにして、設計会社の意気込みも感じられます。
また角地の特性を最大限に生かせるよう1階に配置した店舗をぎりぎりまで角に寄せた建物の配置にし、通りとの一体感を表現してみました。
◆建設会社選定
ゼネコン3社(S建設、N建設、Y建設)に概算見積もりを作成してもらい、どのゼネコンを選択するかを比較検討しました。
3社のうち、見積額が一番低かったこと、会社と現場が至近であったこと、以前から施主と面識があり、また地元では公共事業などにも工事の実績があり、信頼できると判断してY建設を選択することに、オーナー様も迷いはありませんでした。
そして地鎮祭の日に建物請負契約を締結してもらいました。
◆融資先銀行決定
融資銀行については、予定とする事業計画書ができあがった頃より早々に、コンサル側で選択した銀行と大家さんの取引銀行あわせて数行に打診を開始し始めました。
現在区画整理の真っ只中の発展途上地域であるせいか、銀行によっていろいろな見解がありましたが、その中でも、今回の計画に一番興味を示し、積極的に対応してくれたM行の迅速な対応に
大家さんも大変関心し、大家さんの取引銀行からの回答を待たずしてM銀行にお願いすることになりました。大家さんとはこれがはじめての取引となるM行ですが、貸付金利も1%半ばの優遇金利を提示したことにも大変感謝されていました。
融資の実行は、建築費等の支払いに合わせて3回に分ける場合もありますが、今回は低利な融資でもあり、上昇傾向のある金利を意識して、一度に融資実行をすることで、金利を固定しました。
◆地鎮祭~工事期間
◆ネーミングの選定・・・【フルジェンテ1番館】
◆モデルルーム
◆現地見学会開催
◆竣工から入居
・竣工検査
・引き渡し
◆税務対策
・消費税還付準備・・・消費税課税事業者選択届出書、消費税課税期間特例選択届出書
・青色申告の選択・・・青色申告の届出書、青色専従者給与届出書
不動産管理会社を作るほど家賃収入は多くないけれど、毎年支払う税金の額はばかにならない。やはり節税を考えたい・・・。
そこで青色申告を選択、青色事業専従者給与の特例を適用し、自分の親族に給与を払うことにより、所得の分散を図ることができます。